グッド・サマリタン・チャーチ大阪淡路チャペル

 

指し示す者バプテスマのヨハネの誕生


ルカの福音書1:5〜13

 ユダヤの王ヘロデの時に、アビヤの組の者でザカリヤという祭司がいた。彼の妻はアロンの子孫で、名をエリサベツといった。
 ふたりとも、神の御前に正しく、主のすべての戒めと定めを落度なく踏み行なっていた。
 エリサベツは不妊の女だったので、彼らには子がなく、ふたりとももう年をとっていた。
さて、ザカリヤは、自分の組が当番で、神の御前に祭司の務めをしていたが、祭司職の習慣によって、くじを引いたところ、主の神殿にはいって香をたくことになった。
 彼が香をたく間、大ぜいの民はみな、外で祈っていた。ところが、主の使いが彼に現われて、香壇の右に立った。
 これを見たザカリヤは不安を覚え、恐怖に襲われたが、御使いは彼に言った。「こわがることはない。ザカリヤ。あなたの願いが聞かれたのです。あなたの妻エリサベツは男の子を産みます。名をヨハネとつけなさい。


B.ヨハネ出現の旧約聖書の預言

「見よ。わたしは、わたしの使者を遣わす。彼はわたしの前に道を整える。あなたがたが尋ね求めている主が、突然、その神殿に来る。あなたがたが望んでいる契約の使者が、見よ、来ている。」と万軍の主は仰せられる。           
(マラキ3:1)


荒野に呼ばわる者の声がする。「主の道を整えよ。荒地で、私たちの神のために、大路を平らにせよ。…」
(イザヤ40:3〜4)


当時の状況など メモ

BC 英語 Before Christ“キリスト以前”
AD ラテン語 Anno Domini“主キリストの年”
BC586年南王国ユダ滅亡⇒バビロン捕囚70年⇒帰還⇒神殿建設⇒城壁再建⇒中間時代
バビロンペルシゃギリシャローマ
ユダヤの祭司(サドカイ人)はローマと迎合
パリサイ人は豊かなローマと分離
サンヒドリン議会(ローマは自治権を容認)
 (パリサイ人、サドカイ人が半数づつ)
中間時代・・・マラキ書〜キリスト誕生まで約400年間
口伝律法・・・この時代、パリサイ人達はモーセの律法に口承の決まりごとを加え、のちのち自らの決まり事を神様の律法よりも大切な物としてしまった。やがて編纂され「タルムード」となった。(紀元200〜500年)


口がきけなくなったザカリヤ

・B.ヨハネがイスラエルの民を神に立ち返らせることを知らされたザカリヤは、すでに自分も妻も年寄りだったので、その約束を疑った。
・そのために、約束の成就する時までザカリヤは口がきけなくなった。
・やがてエリサベツはみごもり、男の子を産んだ。ザカリヤは人々の意に反して、ヨハネという名をつけるよう求めた。
・その時再び口がきけるようになった彼は、聖霊に満たされて神をほめたたえ、イスラエルのメシヤ待望の成就を預言した。(ルカ1:68‐79)
マリヤの賛歌「マニフィカート」ルカ1:46〜55
ザカリヤの賛歌「ベネディクトゥス」ルカ1:67〜79

ザカリヤの賛歌「ベネディクトゥス」

ルカの福音書 1:67〜79

前半の主題は「救い」

 さて父ザカリヤは、聖霊に満たされて、預言して言った。「ほめたたえよ。イスラエルの神である主を。主はその民を顧みて、贖いをなし、救いの角を、われらのために、しもべダビデの家に立てられた。
 古くから、その聖なる預言者たちの口を通して、主が話してくださったとおりに。この救いはわれらの敵からの、すべてわれらを憎む者の手からの救いである。
 主はわれらの父祖たちにあわれみを施し、その聖なる契約を、われらの父アブラハムに誓われた誓いを覚えて、われらを敵の手から救い出し、われらの生涯のすべての日に、きよく、正しく、恐れなく、主の御前に仕えることを許される。


後半は「救い」を備えるヨハネについての預言


幼子よ。あなたもまた、いと高き方の預言者と呼ばれよう。主の御前に先立って行き、その道を備え、神の民に、罪の赦しによる救いの知識を与えるためである。
 これはわれらの神の深いあわれみによる。そのあわれみにより、日の出がいと高き所からわれらを訪れ、暗黒と死の陰にすわる者たちを照らし、われらの足を平和の道に導く。


マルコの福音書 1:1〜11

バプテスマのヨハネの活動

 神の子イエス・キリストの福音のはじめ。
 預言者イザヤの書にこう書いてある。
「見よ。わたしは使いをあなたの前に遣わし、あなたの道を整えさせよう。荒野で叫ぶ者の声がする。『主の道を用意し、主の通られる道をまっすぐにせよ。』」
 そのとおりに、バプテスマのヨハネが荒野に現われて、罪が赦されるための悔い改めのバプテスマを説いた。そこでユダヤ全国の人々とエルサレムの全住民が彼のところへ行き、自分の罪を告白して、ヨルダン川で彼からバプテスマを受けていた。
 ヨハネは、ラクダの毛で織った物を着て、腰に皮の帯を締め、いなごと野蜜を食べていた。彼は宣べ伝えて言った。「私よりもさらに力のある方が、あとからおいでになります。私には、かがんでその方のくつのひもを解く値うちもありません。
 私はあなたがたに水でバプテスマを授けましたが、その方は、あなたがたに聖霊のバプテスマをお授けになります。」そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来られ、ヨルダン川で、ヨハネからバプテスマをお受けになった。

ユダヤ全国民とエルサレムの全住民がヨハネからバプテスマを受けた

・祭司ザカリヤと妻エリサベツの老年に生れた。
・ヨハネが「整えられた民を主のために用意する」(ルカ1:17)使命を与えられた。
・悔改めを迫る説教活動・ユダヤ全国の人々とエルサレムの全住民が罪を告白し、彼からバプテスマを受けた。
・サドカイ派やパリサイ派に対してきびしい批 判をした。彼らは「まむしのすえたち」と呼ばれ,アブラハムの子孫であるからさばきを免れるだろうとする考えが糾弾されている。
・後から来られる方の道備えをする先駆者にすぎないと断言。
・バプテスマのヨハネと呼ばれるのは、クムラン宗団で繰り返し行われていたきよめの儀式 のようなものではなく、一回かぎりのもので、バプテスマを受けた者には悔改めにふさわしい新しい生き方が求められた。
・ヨハネのバプテスマは、その説教が示すように、エッセネ派の信仰や儀式から離れた新しい霊的運動を推進するためのものであった。
・イエスはこのヨハネからバプテスマを受けた。